この記事では『写真家が語る「物語を伝える」写真のつくりかた』セミナーに参加して学んだことについて紹介しています。
フォトショップやイラストレーターなどのアプリで有名なAdobeが無料のセミナーを定期的に開催しています。
今回オンライン無料で参加できるということでセミナーに参加してみました。
- 写真を撮る時に大切にしていること
- 写真の撮影のコンセプトから撮り方
- PhotoshopやLightroom Classic、Lightroomを使った作品の仕上げ方
- 受講者からの質問コーナー
といった内容を聞くことができたのでご紹介したいと思います。
『写真家が語る「物語を伝える」写真のつくりかた』セミナー概要
*出典:無料写真セミナー:写真家が語る「物語を伝える」写真のつくりかた(講師:大村 祐里子 氏)
1枚の写真で物語を紡ぐをテーマにしたセミナーになっています。
プロの写真家さんたちの写真にはストーリーや伝えたいことがパッと浮かんでくるような魅力がありますよね。
Adobeの行なっている今回のセミナーでは
『写真家が語る「物語を伝える」写真のつくりかた』
と題し、
- 撮影のコンセプトから撮り方
- PhotoshopやLightroom Classic、Lightroomを使った作品の仕上げ方
までを1時間の講義形式で学んでいきました。
今回は写真家である大村 祐里子さんにポートレートを主な題材として、
テクニック紹介にとどまらず、なぜ何のためにそれを行うのか、どうしてその機能で写真を仕上げるのかといった背景までお話しいただきます。
今回の講師は写真家の 大村 祐里子 さん
プロの写真家として活躍する大村さん。
彼女の写真は光の表現がすごく魅力的な印象で、写真のハウツー本なども出版されています。
透き通った表現はレタッチなどをあまりされていないような印象も受けますがどのような講義が聞けるのでしょうか。
▼大村さんのホームページはこちら▼
”写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、撮影のほか、雑誌・書籍・Webでの執筆など、さまざまなジャンルで活動中。趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。”
▼セミナー講師紹介文より引用▼
https://v2.nex-pro.com/mypage/campaigns/5062
撮影では光の表現を大切にする
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大村さんの作品をみるとわかるように写真をとる時には「光の表現を大事にしている」そうです。
写真を取る時に感じた被写体や場所のイメージを写真で表現しています。
彼女の撮ったポートレートの作品を複数見ながらそれぞれのイメージを解説していきます。
- 被写体のイメージ
- 魅力的な光の入り方
が合わさった時にその日の撮影のテイストが決まります。
Lightroomで色味や雰囲気のレタッチする方法
まずはポートレートの写真をレタッチしていきます。
基本的な考え方として大村さんがあげたのはこちらの3つ。
- プロファイル補正を使用する
- レタッチはしすぎない
- ヒストグラムを活用する
それぞれ細かくみていきましょう。
プロファイル補正を使用する
Lightroomの機能にプロファイル補正があります。
これはレンズによる歪みや色味のブレなどを調整する機能になります。
- 色収差を除去
- プロファイル
ともにチェックを入れていきましょう。
こうすることでファインダーをのぞいた時のそのままの画像になってくれます。
レタッチはしすぎない
比較できるように補正前と補正後を両方表示して見るようにしましょう。
ポートレートの場合
- 主役は人
- 肌の色を大事にする
ということがポイントです。
全体の色味を青くしたいからといって、主役の顔色が悪くなってしまったら写真全体の印象がよく無くなります。
ヒストグラムを活用しよう
三角を入れると白飛び警告を表示できる
Webだとある程度大丈夫だが印刷するとかなり気になるので注意
白飛び→ハイライトをいじる
黒つぶれ→ヒストグラムの左側を右にドラック
を使って全体が見えるように調整しよう
光と肌の質感に着目して補正する
光や肌の質感に注目しながら写真を撮っている大村さん。
- 肌の質感がつぶれてしまう
- 顔に変な影ができてしまう
- 写真の雰囲気を調節したい
という時の補正のやり方を紹介してくださいました。
明暗別色補正
影だけやハイライトの部分だけに色をつけることができます。
オプションを押しながら色相を動かすと色味をみながら調整できます。
- 涼しげな印象にしたいなら影の部分に青
- 温かみのある印象ならハイライトの部分にオレンジ
を入れてあげるといいでしょう。
入れすぎると肌が綺麗に見えないので調整しながらやりましょう。
シャープ
オプションを使いながらマスクを調整しましょう。
右にいくと輪郭だけシャープに、左に行くと面全体にシャープになります。
ひとの肌を綺麗に見せたい時は、輪郭だけをシャープにして髪の毛などがはっきり見せましょう。
面全体を補正してしまうとごつごつした質感になってしまいます。
色の濃淡の調整
露光量の調整をすると色や光の濃淡をはっきりさせることができます。
少し暗めの方が光が映える
Photoshopで細かい部分の補正
まず最初の段階で必ず元画と同じレイヤー1を作ります。(レイヤー複製:command+J)
ここでは気になるニキビやほうれい線などの補正をしていきます。
拡大してどこを消すかとかよくみてやることが大事です(ズーム:z)
スポット修正ブラシ
スポット修正ブラシでニキビを消します。
この時全体みていきます(画面サイズに合わせる:command+0)
レイヤーを表示/非表示を繰り返しながら修正箇所を確認しするのが大事です。
いいと思ったらレイヤー1をもう一回複製して保存します。
パッチツール
気になるほうれい線を消します。
透明度をいじって、全体にいい感じに馴染むように調整すると若々しい顔になります。
写真はプリントするのを意識する
パソコンでは鮮やかに見えたけど印刷するといまいちになってしまったり問題が発生します。
必ずプリントアウトをした時のことを考えることが大事です。
A4でプリントしてみると撮った写真の
- テイスト
- 色味
- 黒つぶれ
- 白飛び
- 全体のインパクト
をより考えることができるようになるそうです。
講義を聞いていたリスナーからの質問と答え
Q.コミュニケーションで気を使っていることは?
無理せず自分にあったコミュニケーションを取ること
大村さんは普段通りに接することが大事だという。
寡黙なイメージなのにいきなり喋ったりしない方がいいかもしれないと思います。
無理せず背伸びしないありのままの自分でいることが大事なんですね。
Q.カメラは何を使っている?
大村さんの使用機材は
- キャノン EOS 5d mark3
ポートレートなどで肌の質感とかならキャノンの表現がいいので有名ですね。
レンズについては
- タムロンSP85mm
- 純正レンズ50mm
の2本がよく使うレンズ。
そのほかに135mmを使うがレンズちょっと長いため2つと比べると使用頻度は低いようです。
Q.レフ板ストロボはどうやって使っている?
逆光の時は顔に光当てたりするために使います。
自然な感じが好きなので自然に感じになるように一回バウンドさせて見る
オレンジのカラーフィルターをつかって色味を調整しながら使うのが大事
Q.ISOとか色味はどうやって決める?
感度は低い方がいいけどライトとかの条件で決めています。
大村さんが感度を高くする時には
- MAXでも800程度にする
- ノイズ除去で補正する
ということがポイントにしています。
色味については現場でケルビン設定で決めています。
実際に撮影の現場ではパソコンでリアルタイムでみながら撮影を行います。
色味をプレゼンしながら撮って見せていくことを意識しているそう。
現像する時には、撮影の時どういう印象だったかで決めるのが大事。
その時の意図を汲んであげるように編集しましょう。
Q.プロファイルはどう選ぶ?
色味やテイストを合わせるためのプロファイル。
大村さんはアドビカラー以外にあんまり変えていないのだそう。
その場で感じた色味を表現したいから作っていません。
写真のテイストや質感を合わせたいという方は自分でつくってみるといいですね。
Q.Lightroomでもスポット修正あるのにPhotoshopを使っていたのはなぜ?
写真をやる前はもともとウェブデザイナーでフォトショップを使っていた大村さん。
実際は同じことができるけどPhotoshopが使いやすいからそうしています。
どっちのソフトを使うかは慣れているものを使うのがいいようです。
Q.大事にしていることは?
大村さんが大事にしているのは
「自分の楽しさ、テンションをあげるポイント」を見つけながら写真を撮ること
なのだそう。
仕事にするってことは好きなことばっかりではないです。
- なんだそれは?って思うようなとき
- 苦手な仕事だなと思うとき
そんな時も
写真集を作るテンションで撮ろうかな
といったように辛くならないように楽しみながら撮るのが大事です。
Adobeの無料セミナーはためになるから参加した方がいい
今回参加したきっかけはAdobeからきたメールでした。
筆者自身も普段あまり内容とか確認していなかったのですが、次からはちゃんと確認しようと思います。
1時間ほどの講義ながら、内容的にも満足できるものです。
そして何と言っても
無料でプロの講義を受けられるので参加しない手はないですね
Adobeのサイトから今後のイベント日程や内容について確認できます。
ぜひこの機会に活用してみてください。
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